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アームヘッド・ストーリー第1話:覚醒

黒崎彰(くろさきあきら)
それが俺の名前だ。
俺がこれを書いている理由は1つ、命令だ、決して拒否できない命令。
さて、前置きはこのぐらいにしてそろそろ書くか、俺の身に起こった
―――――悲劇を―――――

あの日俺は、いつも通り散歩をしていた、仕事もしていなくて暇だったから。
その時、男が向こうからやってくる、眼鏡をかけ、長い髪を後で縛った男。
そしてぶつかった、偶然じゃない、相手がわざとぶつかってきた。
男は自分の荷物をあたふたと拾っていた、道行く人は目でこう言っている。
『ぶつかったんだから助けたらどうなの?』
と、俺は『じゃああんたはどうする?』とおもったがその視線を避けるために手伝った。
「ああ、ありがとう。」
男は荷物を拾いながら言う。
そして全ての荷物を拾い終わったあと、男がこう言った。
「お茶でも飲みませんか?お礼もこめて。」
「いいですよ。」
近くの喫茶店に入りコーヒーを頼む。
「ああ、名前も言わず失礼でしたね、私はこう言う者です。」
そう言って名刺をさしだした。
『リズ連邦特別研究部副研究長:ラスク・テリアス』
と書いてあった。
俺は名刺を読みながら言う。
「軍の方なんですか?ラスクさん。」
「いいえ、ただの学者です、それからラスクと呼んでください、彰さん。」
こいつ、俺の名前を知っている、なぜだ?わざとぶつかったとしか思えない。
「分かったよ、ラスク、それからなぜ俺の名前を知っている?」
ラスクは笑いながら言った。
「そりゃあ調査しましたからね、またアームヘッドに乗りませんか?」
また、と言う言葉に少し緊張する。
「どういう事だ?」
「私に着いてくれば分かりますよ?来ますか?」
俺は黙って頷いた。
車に乗りこむ、その時に目隠しを渡された。
車に乗ってしばらく経つ、何も見えないから寝るしかなかった。
「付いたぞ。」
そう言ってラスクはクルまから降りた、俺はしばらく伸びをして降りた。
「ここだ。」
そう言うと俺の目隠しをとった、そこにあった物はまぎれも無いアームヘッドだった。
「こいつか…」
俺はそう呟いた、黒い体に銀色の武装がある、が1番特徴的なものがなかった。
「アームホーンは?」
ラスクに聞いてみる、ラスクはアームヘッドを見上げながらこう言った。
「君が乗ると言わなければ教えられない、なにしろ軍の最高機密でね、君が拒否した場合には死んでもらう。」
ラスクは凄いことをさらりと言った。
「乗ってみるかい?」
こちらを見ながら言う。
「ああ。」
コクピットに行ってみるが一言でいうと乗りにくい。
「赤いボタンを押してみろ、そうすればつく。」
スピーカーから聞こえる。
押すと、妙な気分になった、覚醒したがもう1人のオレがいきなり現れたようなおかしな感覚。
そしてもう1人のオレの記憶が見えた、それは一言で言うと――殺戮――

by y28uta | 2008-06-16 17:52 | story-アームヘッド-  

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