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アームヘッド・ストーリー第12話:テストバトル

さて、大分ヘブンレボリューションの話をしたし、ここからは俺の話をしよう。


俺がアニューパークに来てから、数週間が過ぎた。

初めは色々な雑用をしてきたが、ようやく分かってきたし、仕事も楽になった時の事だった。

「彰さん、新型アームヘッドができたので、テスト運転の相手をしてくれませんか?」

ひょこひょこ近づいてきたエルクはそう言った。
新型アームヘッド、今までエルクが設計していたアームヘッドだ。
確か名前は、ラヴァドルクスと言った気がする。

「ああ、いいよ。いつなんだい?そのテストバトルは?」

「ええとですね、確か1週間後です」

1週間後か…ヘルギアスを動かしたのは、あの最初のときだけだ。
それ以来忙しくて、触る機械もなかった。
テストバトルとはいえ、これが始めての戦闘だ。

「では、1週間後に、よろしくおねがいします」

そう言って、右手を握手するようにだしてきた。
俺も握手をする。

そして、1週間後-

「本気でやってもいいのか?」

地上の訓練場で、ヘルギアスを動かしながらエルクに言った。

「いいえ。これはテストバトルですよ?本気はやめてくださいよ。そちらも始めての戦闘でしたね、では、始めましょう」

そして、相手も俺も構えた。
緊張する…

「うおりゃあ!」

こちらが相手に突っ込んで行った。
ナイフを逆手に持ち、相手に振り下ろす。

「はああっ!」

そして、エルクは自分の武器でその攻撃を防ぐ。
だが、それは囮だ。

「おりゃあ!」

右手のナイフを相手に突き刺そうとする。だが、エルクは間一髪で空にとび、かわした。

「ちっ」

舌打ちをして、今まで溜めていたレーザーを発射した。

だが、相手もレーザーを打ち、さらに上に上昇する。

これじゃあこっちの分が悪い。あいにく、ジェットパックは外していた。

「おらぁ!」

ナイフを投げる。相手はかわすが、これも囮だ。

「なっ!」

レーザーをいっせいに発射する。
相手も地上に降りてくる。

「おらおらおらぁ!」

ナイフで滅多打ちにするが、相手は冷静にかわしている。

そして、俺は相手の足を引っ掛けた。
相手が転び、俺の手(ヘルギアスの手だか)はアームホーンを掴んでいた。

「……お見事です」

エルクの声が聞こえる。悔しいというより、清々しい感じだ。

「ふう、じゃあテストバトルも終わりか…」

そして、アームヘッドから降りる。
そこには、知らない女がいた。

「黒埼彰さんですね?私は国防省のスパル・アウェイです、どうぞよろしく」

そして、握手をする。

「ある依頼があります、付いてきてください」

そう言われて、俺は彼女の車に乗り込んだ。


つづく

by y28uta | 2008-10-12 22:21 | story-アームヘッド-  

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